2015年03月29日

オペラ「マノン・レスコー」

久々の更新なのに古いお話です。

こないだ日本の新国立劇場で4年前に震災で中止を余儀なくされた
オペラ「マノン・レスコー」が再度の上演!というニュースを見つけました。

私も去年上海でこの演目を見たわ〜、と思いつつニュースを読み進めると、
なんと主役の歌手が2人共、私が上海で観たのと同じ人ではないかっ!!

上海で観たやつはブログに記録を残していなかったので、
もう半年以上も経っちゃいましたが、今頃になってブログ更新です。


ManonLescaut.jpg

こちらが、私がサラミ夫と観に行ったオペラ「マノン・レスコー」のポスターです。
行ったのは、2014年9月5日でした。何ちゅー前の話やねん・・・。

上海オペラハウス(上海歌劇院)は毎年どこかのオペラハウスと共同プロダクション
オペラの新演出のものを上演するらしく、去年はヴェルディのオペラ「アッティラ」でした。

 去年のオペラ「アッティラ」 → http://nihaoshanghai.seesaa.net/article/380719550.html

で、ポスターの左上に「ROYAL OPERA HOUSE」という文字がある通り、
今年はなんと英国ロイヤル・オペラとの共同プロダクションでした。

さすがバブル中国。金注ぎ込んでるなー。ぴかぴか(新しい)


1.JPG

上海大劇院のロビーは今年も相変わらずのラフさです。
TPOというものが存在しない中国にあっては、盛装する人の方が少数です。

サラミ夫婦はそういうのは出演者に対して失礼だと思うので、ちゃんとして行きましたが。


2.JPG

とはいえ、勝手知ったる上海大劇院。
後方でも十分舞台が見えることは分かっていたので、今回は1階後方右側の席にしました。


3.JPG

いつもは一番前の端に陣取ることが多いのですが、今回はこんな感じの見え方でした。
舞台は少し離れますが、セットは全部見通せるし見やすいです。ここで380元でした。

ただ、座ってみて思ったのは、座席が安くなるにつれて観客のマナーも悪くなるようです。

一列前の外国人はスペイン語を喋っていたようですが、演奏の最中も喋りまくるし
ちょっとヒドくて呆れてしまいました。(怒)

しかし実は、今回の指揮者が去年の「アッティラ」の時と同じダニエル・オーレンだったので、
わざとオーケストラから離れたというのもあります。だって、あの人声出すから煩いんですよ。バッド(下向き矢印)

結果としては、煩い指揮者の声はここまでは届かず、かつ、舞台装置が立体的
面白い作りだったので、全体を見渡せる所に座って正解でした!

オペラそのものはというと、まあここまで主人公に共感できないオペラも珍しいわな、と。(笑)

主人公のマノンは、自分が相当可愛くてイケてると思っている(実際モテる)上に、
瀟洒な生活に憧れる(私から見れば)俗物的でアホな田舎女なのですが、
そんな彼女をひたすら愛し続ける純粋な青年デ・グリューとの恋物語・・・

一応ストーリーとしては、自由奔放な女性との悲恋みたいですが、どう見ても、
アホ女マノンのせいでデ・グリューも一緒にどんどん堕ちていって、
最後マノンは悲惨な死に際を迎えるという、どうしようもなく悲惨なお話です。

作曲者プッチーニの理想とする女性は、可愛くて小賢しくなくて純粋で容姿が美しくて・・・
という感じなんでしょうか。今の女性の半分くらいから反感買いそうですが。

まあ、主人公に共感できないのは置いといて、さすがプッチーニだけに音楽は美しく、
音楽を主体にすると、とても良いオペラだと思います。

ま、オペラって、台本が「???」ってのはたまにありますから。

さて、今回はすでに述べた通り英国ロイヤル・オペラとの共同プロダクションということで、
ジョナサン・ケントによる新演出でした。ロンドンでは6月に初演があったとか。

それを、メンバーだけ全くの別人で、舞台装置から衣装からソックリそのまま上海に持ってきました。
こんな新しい演出を上海にいながら見られるというのはラッキーでした。

ただ、オケは上海交響楽団なので、まあまあです。別に悪くないけど過度な期待もしません。

指揮者のダニエル・オーレンは去年も指揮を見たので大体の予想はついていましたが、
やっぱり盛り上がるところはテンポがむちゃくちゃ速い!相変わらず指揮が派手!

今回は彼のうなり声を警戒して後ろから観ましたが、彼がピョンピョン飛び跳ねているのは
よく見えました。2幕の一番最後の指揮は期待通りの超高速で、もう凄すぎて嬉しくなりました。(笑)

ただ今回は、一部の出演者の見た目にとても違和感を感じてしまいました。

今回のキャストは、

マノン : Svetla Vassileva (スヴェトラ・ヴァッシレヴァ)
デ・グリュー : Gustavo Porta (グスターヴォ・ポルタ)
レスコー : Carlo Striuli
ジェロント : Yu Yang (余楊)
エドモンド : Zhang You Ji (張由吉)

ということで、主役2人はこないだ新国立劇場で「マノン」を上演した時の2人です。

この中で、私がうーん、と思ってしまったのは中国人2人。


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まず、エドモンド役の彼。なかなかいい声で、歌は良かったです。

しかしですね、この黄色い服が、彼が着るとダサくて、出てきた瞬間笑いそうになりました。
中国には、こういう黄色とか来ているダサい男子が結構いるので、それとダブりました。

しかし、後で調べると、ロンドンでもエドモンド役は全く同じ服なのでした。
が、欧米人が着ると手足も長いし髪の色も違うし、決してダサくはならないという・・・。

演出が現代の話になり、服装が今風になったことが逆にアジア人には仇になったのかも。
というか、彼個人が、この服装に全く合わないビジュアルだったのですわ。とほほ。


5.JPG

しかし、私が一番許せなかったビジュアルの人はこのジェロント役。

大橋巨泉やないかい。パンチ

しかも、この人結構若い人で、無理して「おっさん」を作っているのです。
申し訳ないのですが、この人が出てくる度に「上海で舞台を見ている」
という現実に引き戻されて興ざめでした。若いから歌の方も貫録が足らないし。

ロンドンの方でもデップリとした男性がこの役をやって、金でマノンを買っている
いかにもいやらしいジジイという雰囲気ですが、東洋人になると何か違うような気が。


6.JPG

この人はレスコー(マノンの兄)。上海で見るバリトンは毎回外れのような気がします。
この人もビジュアル的にどやねんって気がしますな。(^^;


7.JPG

デ・グリュー役のグスターヴォ・ポルタ。この人もビジュアルが邪魔してしまいました。
歌は、役柄にはとても合っていたと思いますが、見た目が「青年」という感じではなく・・・。

やっぱり演出が現代って厳しいものがあるのかも知れません。

余談ですが、この人は歌ってる時に時々眉毛が大きく上がるのですが、
その上がった時の顔がパヴァロッティに似てるな〜、とか思ってしまって、
余計に集中できませんでした。(笑)

ちなみに、デ・グリュー役は、ロンドンではヨナス・カウフマンでした。
でもまあ、あんなスタイルの良い男前のカウフマンと比較したらいけませんわな。

というわけで、上海での公演を見る前からその事実は知っていましたが、
決して事前にカウフマンのデ・グリューをチェックすることはしませんでした。


8.JPG

そしてマノン役のスヴェトラ・ヴァッシレヴァ

これはもうボロボロになって死んだ後なので服も薄汚れてボロボロですが、
汚れる前はもう娼婦かって感じで、超ピンク色のケバケバ衣装でした。

今回、一番ビジュアル的に似合っていたのは彼女でした。
歌も、後半(特に3幕)になるに従って、しっとりと聞かせてくれました。

見た目に一部違和感があったとはいえ、全体的にはまあ良かったんじゃないでしょうか。


9.JPG

最後のカーテンコール。上海ではカーテンコールは盛り上がります。


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そして指揮者ダニエル・オーレン登場。このポーズ、去年もやってました。
ひょっとして、この人来年のオペラも来るんでしょうか。


11.JPG

ちなみに、第3幕の最後のセットはこんな崩れた道路でした。
アメリカの荒野をさまよって死ぬ話が、こんな現代的な道路。これはこれで冷たい感じでした。


12.JPG

そして毎回おなじみの、指揮者が走りだしてみんなが引っ張られるというお決まりのパターン。
ダニエルさん、目立つの好きですね〜。


13.JPG

んー、でも、やっぱりこの人のビジュアルだけ不満。

もしこの演出を日本でやったとしても、同じような問題が噴出したかも知れないなー、
なんて思った今回のオペラでした。

でも、何だかんだ文句も言ったけど、来年の演目も絶対観に行こう!と思うのでした。


ちなみに、今回の予習はDVDCDで。

たまたまウチにあったDVDは、主役があまり魅力的でなかったので、
ストーリーを覚えるために観たという感じで、あとはマリア・カラスのCDを聴いていました。

1957年のミラノ・スカラ座のやつです。



posted by サラミ at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | お出かけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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